奈良県の山下真知事が五條市で推進する太陽光発送電施設(メガソーラー)を巡り、県議会は25日、建設に反対する最大会派「自民党・無所属の会」が提案した新年度当初予算案の一部を見直した修正案を賛成多数で可決した。メガソーラーを前提としない内容で、計画は事実上、白紙に戻った。

 山下知事は昨年5月、日本維新の会公認知事として就任。2000メートル級の滑走路を持つ五條市の防災拠点の整備費などを疑問視。今年1月、非常用電源に活用するメガソーラーの整備を代替案として発表した。

 これに、自民と公明党の県議や住民らが災害リスクなどを懸念して反発。19日の予算審査特別委員会で、当初予算案が否決された。

 25日の本会議で、自民はメガソーラーの整備を前提とした防災拠点の検討費4700万円について、県全体の防災体制を見直す費用に改めた修正案を提出。議長を除く42人のうち自公など26人が賛成して可決した。

 修正案をのむ形になった山下知事は記者会見し、「修正案は幅広く防災体制を検討する趣旨で内容を縛るものではない」と語った。

 一方、山下知事は、自民議員の提案で、市町村長の意見を尊重する文言を盛り込んだ太陽光発電施設設置に関する条例改正案などで「再議」を要求。3分の2以上の賛成が必要な再度の採決で否決された。

読売新聞オンライン
2024/03/25 22:21
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240325-OYT1T50224/