化学農薬よりスゴイもの
「買ってはいけない」の著者の中には、野菜は自分が所有する農園でとれる無農薬野菜ばっかり食べ、水は谷川岳の自然水だけなどという金に飽かせた贅沢な暮らしをしてるお方が混じってました。
ところで、このお方が一日に摂取される「農薬」の量、特に発ガン物質の量ってどのくらいだと思いますか?
ご安心ください、我々庶民の農薬摂取量は、おそらくこの貴族サマより確実に少ないはずですから。

・植物は農薬工場
そもそも、植物とは誰のためにあるのでしょうか?
人間のためでしょうか?それとも草食昆虫やほかの動物のためでしょうか?
例えばドクガの幼虫は毒針をもっていますが、ほかの動物に食われないように防衛目的でそのようになったと考えらるのが普通だと思います。
植物も、食われて絶滅してしまう事態から免れるためにはなんらかの防衛手段が必要です。

植物の場合は身動きできず逃げようがないので、「化学兵器」による自己防衛システムが発達しました。
植物が使用する「兵器」にはフラボノイド、アルカロイド、植物性エクソダイン、グルコシノレート、青酸配糖体、テルペン類、有毒タンパク質などなど、あげればきりがなく非常に多彩です。

もうお分かりでしょう。
この植物の自己防衛システムに使用される「天然の農薬」ともいうべき有毒物質が、野菜を食べることによって一日あたり1.5g(米国の場合)も摂取されていると計算されているのです。
この事実はカリフォルニア大学バークレイ校のBruce N. Amesによって指摘されました。

食品中に残留してる化学農薬は、天然農薬「1.5g」の、ナンと1万分の1といわれています。
おまけに現在の化学農薬は、選択毒性について考慮されているものが多いので、実質的な毒性効果は単純な量による比較以上にひらいているかも知れません。

さらに、化学農薬を使用していると、野菜は害虫の攻撃に対抗する防衛システムをフルに稼働する必要がありませんから、「兵器」の合成をサボります。
つまり外敵からのストレスが軽減された環境で栽培されている野菜が含有する「化学兵器」の量は、必死に害虫たちと対抗しなければならない無農薬栽培野菜のそれより少なくなると考えるのが自然です。
www7.plala.or.jp/organicrose/ames.htm