4/11(木) 3:15配信 読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/881bb802bce30606398688d853d50c2f32af66df

 【ワシントン=冨山優介】日米両政府は10日、米国主導の有人月探査「アルテミス計画」で将来、日本人宇宙飛行士2人が月面着陸することに合意したと発表した。この計画を巡り、米国が月面着陸で合意した国は、日本が初めて。日本人2人のうち1人目は2028年、2人目は32年に月に降り立つことを目標とする。

 米国は1969~72年、アポロ計画で計12人の米国人飛行士を月面着陸させた。日本政府は今回の合意により、米国以外で自国の飛行士を月に降り立たせた最初の国になることを目指す。

 アルテミス計画では2026年9月、アポロ計画以来、約半世紀ぶりとなる有人着陸を予定。まずは米国人2人が月南極域に降り立つ。次の着陸は28年で、以降は定期的に飛行士を送る。

 日米が合意した日本の1人目の飛行士の着陸は、最短で28年となる見通しで、米国などが月上空に建設予定の有人基地「ゲートウェイ」を経由して降り立つ。

 日本はアルテミス計画への貢献として、有人月面探査車「ルナクルーザー」の開発を担当。車内で宇宙服を着用する必要がない設計で、トヨタ自動車が中心となって開発を進めている。

 探査車を載せたロケットの打ち上げは31年を予定し、月面に到着後、10年間運用する。日本側は、探査車の最初の運転者を日本人にしたい考えだ。米国側は今回、探査車を開発・提供する見返りとして、日本に着陸の機会を提供することにした。

 合意の発表に先立ち、盛山文部科学相は9日、ワシントンで開かれた米航空宇宙局(NASA)のネル・ビルソン長官との署名式に出席した。盛山文科相は「両国の強固な協力関係の象徴となる。日米の宇宙飛行士が共に月面に降り立つという共通の目標に向けて、月面活動に唯一無二の貢献となる探査車の開発を着実に進める」とコメントした。