西日本鉄道(本社・福岡市)が運行する西鉄天神大牟田線が12日、開業100年を迎える。1924年(大正13年)4月12日に福岡市・天神から福岡県久留米市までが開通した。以降、沿線では住宅開発が進むとともに通勤・通学の足となり、天神を商業施設が立ち並ぶ「商都」に大発展させた。ただ、沿線南部の人口減少などの影響で乗客は減少傾向にあり、今後の道筋をどう描いていくか、模索が続いている。(池田寛樹)

毎日の足
 11日朝、西鉄福岡(天神)駅では大勢の乗客が電車を降り、勤務先や学校へ急いでいた。天神に通勤している福岡県筑紫野市の広告会社経営者(70)は「100年になるとは知らなかった。毎日の正確な運行に感謝したい。アイスグリーンの車体を見るとホッとする」と話した。

 改札を出てくる客を見守っていた西鉄鉄道事業本部の野口弘一郎さん(38)は「長年のご愛顧に感謝している。今後の100年も安心安全第一に努めていきたい」と強調した。西鉄は12日から、開業100年を記念する公式キャラクターをデザインしたラッピング列車(5両編成)を運行する。同日午前11時過ぎに出発式を行う予定だ。

阪急が先輩
 福岡―久留米間(39・1キロ)は、西鉄の前身の一つ「九州鉄道」が開業させた。西鉄の社史によると、国有鉄道がすでに博多から久留米まで運行していたため、鉄道院がなかなか認めず、初の申請から開通まで10年以上かかったという。

 「電力の鬼」の異名も持つ財界人、松永安左エ門(1875〜1971年)が当時、九州鉄道の役員を務めており、路面電車の路線が交差する今の天神エリアに目を付けたとされ、起点駅を当初計画の旧住吉町(春吉)から現在福岡パルコがある場所に移した。(以下ソースで)

読売新聞 2024/04/11 14:31
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20240411-OYTNT50079/