被差別部落の地名や写真などを載せたウェブサイトで「憲法が保障する人格権を侵害されている」として、大阪府の70代男性が自身に関わる投稿の削除を求めた仮処分申請で、大阪地裁(井上直哉裁判長)は投稿者の出版社代表に削除を命じた。男性の代理人への取材でわかった。

「恐怖の中に置かれている」被差別部落住民、投稿削除の仮処分を申請
 1日付の決定によると、サイトは川崎市の出版社が運営。被差別部落の地名を列挙し、写真と解説文を載せている。昨年10月の時点で336カ所が掲載され、男性の自宅も写っていた。

 地裁は、サイトが「部落の寺」「都市スラムのような状態」などと言及し、地域が被差別部落で治安に問題があるかのような表現をしていると指摘。社会に根強く残る差別意識を踏まえると「差別を受けず平穏な生活を送る人格的利益を侵害している」と認め、代表の「公益に寄与する」「具体的な権利侵害は一つも確認されていない」とする反論を退けた。

 代表が問題を指摘されても掲…(以下有料版で,残り397文字)

朝日新聞 2024年5月3日 6時30分
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