「虐待」批判の上げ馬神事 2メートルの土壁撤去で実施 一方、会場近くでは抗議行動も - 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20240504-ILC5SXUTMNLVDPXCSHVFJIFC24/

2024/5/4 17:28

 三重県桑名市

三重県桑名市の多度大社で4日、地元の青年が馬に乗って坂を駆け上がる「上げ馬神事」が行われた。動物虐待との批判を受け、馬に越えさせていた高さ2メートルの土壁を撤去し、勾配を緩めるなど改善策を実施。陣がさに裃姿の若者が馬に乗り力強く走り抜けると、観客から拍手が湧き起こった。5日も開催される。

昨年までは土壁を越えた回数で農作物の豊凶などを占う伝統行事として行われていたが、今年から五穀豊穣を願って駆け上がる様式に。雲一つなく新緑がまぶしい境内で、青年3人が2回ずつ挑み、見守った大勢の人たちから歓声が上がった。

一方、会場近くでは馬の利用をやめるよう訴える抗議行動もあった。

上げ馬神事は南北朝時代に起源があるとされ、三重県無形民俗文化財に指定されている。最近十数年で馬計4頭がけがをして安楽死させられるなどし、「虐待ではないか」との批判が上がっていた。大社側は第三者委員会を設置し、改善策を講じた。例年の神事には氏子組織の地元7地区が参加していたが、批判を受けて2地区が参加を見送り、他に1地区も担い手不足から脱退した。