※2025/7/27 18:00
朝日新聞

 音楽活動をしていた女性がファンの男にナイフで刺され、事件前に相談した警察の対応に不備があったとして東京都(警視庁)などを訴えた訴訟は、警視庁側などとの和解が東京地裁で28日に成立する見通しとなった。複数の関係者への取材でわかった。

 事件は2016年5月に東京都小金井市で発生。当時20歳だった原告の冨田真由さんは、出演予定だったライブ会場近くで、ファンの男にナイフで多数回刺され重傷を負った。

2019年に提訴「警察が対応怠った」

 冨田さんと母親は19年、約7600万円の損害賠償を求め提訴。男のつきまといについて、事件が起きる前に武蔵野署に相談したのに同署が対応を怠ったなどと主張した。

 これに対し、被告の警視庁側は、命の危険性を認識させる相談ではなく対応に問題はなかったとした。

 関係者によると、和解案は、警視庁側が「武蔵野署が相談を受けていたところ、被害に遭ってしまったことを重く受け止める」などとして、冨田さん側に「見舞金」を支払うとしている。

弁護士「対応の不十分さを認める金額」

 警視庁側は和解案で、相談を受けた後の対応に「違法性はない」としたが、冨田さん側の代理人弁護士は取材に「見舞金は相場を超える金額で、警察が当時の対応の不十分さを事実上認めたと受け止めている」と説明した。見舞金の額は明らかにしていない。

 和解案は、双方ともおおむね合意しており、28日に和解するとみられる。東京地裁が和解を勧告し、今年に入って本格的に協議していた。

 冨田さん側は訴訟で、事件が起きた約7カ月後に武蔵野署長から謝罪された点を踏まえ、「警察に対応ミスがあり署長がそれを認めた」とも指摘。昨年10月には、法廷で冨田さんが「(警察に相談したのに)何もしてくれていなかったことを事件後に知って裏切られた気持ちでした」と語った。

 冨田さんを刺した男(殺人未遂罪などで懲役14年6カ月が確定)についても、冨田さんは損害賠償を求めており、28日に判決が言い渡される。

続きは↓
https://www.asahi.com/articles/AST7S15QQT7SUTIL01GM.html