タイとカンボジアの軍事衝突をめぐり、両政府は28日、無条件での即時停戦に合意した。仲介国のマレーシアとともに両国が発表した。トランプ米大統領が仲介に乗り出したことで、近年では例を見ないレベルに深刻化した衝突は収束に向かう可能性がある。

 両国で長年続く国境線をめぐる争いは今年5月、係争地で銃撃戦が起き、互いに禁輸や国境検問所の閉鎖などの措置をとる事態に発展した。7月24日に本格的な軍事衝突が起きると、戦闘地域は急速に拡大。犠牲者は増え、避難者数も10万人規模にふくらんだ。係争地にある世界遺産のプレアビヒア寺院も損傷した。

 トランプ氏は26日、タイで暫定首相を務めるプームタム副首相兼内相、カンボジアのフン・マネット首相とそれぞれ電話協議をし、双方が停戦協議を行うことに合意したと発表。関税交渉も話題に持ち出し、「戦闘が続いている限りは、どちらの国とも(関税)合意は結ぶつもりはない」との意向を両首脳に伝えるなどして事態の収束を迫っていた。

朝日新聞 2025年7月28日 19時06分
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