リアルサウンド 8月25日 7時0分配信
 
8月21日、2つの「お披露目イベント」が行われた。
新潟県・新潟市歴史博物館 みなとぴあ 芝生広場における「NGT48 第1期生お披露目イベント」と、都内某所にて開催された「鳥居坂46 1期生メンバーオーディション 最終審査」である。

 AKB48の新姉妹グループとして新潟・万代を拠点に活動するNGT48と、乃木坂46に続く“坂道シリーズ”第二弾となる欅坂46(お披露目当日にグループ名が変更に)。
それぞれのお披露目イベントを比較することで見えてくる、
両陣営のスタンスやAKB48グループ・乃木坂46グループの違いとは何だろうか。
『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であり、48・46グループに詳しいライターの香月孝史氏は、
まずNGT48とAKB48グループの関係性についてこう語る。

「AKB48に関しては、すでにSKE48、NMB48、HKT48と、姉妹グループを数多く立ち上げてきた実例があり、
そのモデルを継承する形でNGT48が発足したので、ファンも運営もお披露目の段階である程度の形が見えており、
それに沿った形を作ってパフォーマンスするところまで持っていくことが可能です。
また、万代に劇場予定地もあり、公演に関しても先輩グループのものを引き継いで行えるため、48グループの特徴である“専用劇場での公演”を早い段階から実現可能です。
その意味では参考にできる先例も多く、現段階で活動の指針がクリアといえるでしょう」

 続いて同氏は、欅坂46と乃木坂46について「AKB48との違いを意識した色付けがされている」と述べた。

「欅坂46は、乃木坂46以外にグループを立ち上げることが初めてということや、
運営委員長の今野義雄氏が『合格者を見てからグループのコンセプトを決める(参考:乃木坂46映画公開記念:運営・今野義雄氏と学生有志が激論 鳥居坂46についての言及も)』と言っていたように、
グループの形に関しては未だ定まっていません。
また、先輩グループである乃木坂46も結成4年を迎えましたが、彼女たちは初期から“AKB48の公式ライバル”としてどう差別化をすればいいか試行錯誤し、
時間をかけて独特のブランディングに到達しています。
そのブランドは形式的な活動フォーマットではなくイメージの確立のようなものなので、48グループのように後続グループがそのまま継承することは難しい。
そのため後輩グループである欅坂46も、しばらくは自分たちの色を模索していくことになるでしょう」

 最後に、欅坂46のお披露目会へ足を運んだ香月氏は、当日の現場の様子をこう教えてくれた。

「会見のときから、アイドルというジャンルに対してあまり慣れている子が見当たない印象でした。アイドル感みたいなものは希薄でしたが、
乃木坂46も同じような空気だったと思えば、48グループのようにある程度の形式が出来上がっているグループよりも時間を掛けて、
メンバーやグループがゆっくり成長する過程を見守りたいと思いました。
また、今野氏は以前、乃木坂46の選考基準に関して『人間性に惚れるかどうか』という話をされていましたが、
今回の会見でも『人間性を見て決めた』という言葉がありました。
そのあたりからは、乃木坂46に通じる色合いが出てきそうな予感はしています」

 同日に立ちあがったグループとして、これから比較されることも多くなるであろう両者。
育成方針やグループとしてのスタンスの違いを見極めながら、それぞれの成長を届けていきたい。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150825-00010001-realsound-ent