九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し、世耕弘成経済産業相は22日、佐賀県庁で山口祥義知事と会談した。
世耕経産相は原子力政策について国が責任を持つ姿勢を明確にした上で、再稼働への理解を求めた。山口知事は、事業者の指導・監督や
地域振興など6項目を要請した。知事は会談後、最終判断の条件は出そろったとの認識を示し、「できるだけ早くと思っている」と述べ
早ければ24日にも同意を表明する見通し。

 会談で世耕経産相は、原子力政策に関し、核燃料サイクルの推進や使用済み核燃料対策に取り組む姿勢を示し「政府として責任を持って進める」と
明言した。原発の安全性向上には「安全神話と決別する」と強調、業界の自主的、継続的な取り組みを促すと説明した。

 廃炉を踏まえた立地地域の振興は「重要な課題」との認識を示し、再生可能エネルギーの導入促進に向けた具体的な計画や方法は
「次期エネルギー基本計画の見直しの議論の中で検討していく」と述べた。

 山口知事は、大臣の説明を「重く受け止める」と応じた。再稼働について、県内や福岡、長崎両県でも反対の声が強いことを繰り返し
「県民の安全が大切だということと、国が責任を持って取り組むことに尽きる」と指摘した。地元同意に法令の定めがないことにも触れ
「手続きは分かりやすく、開かれたものが良い」との認識を伝えた。

 国に対し、使用済み核燃料対策などの取り組みの加速や、再生可能エネルギーの導入促進、今後も国が前面に立って県民の理解に向けた
説明をするよう要請した。避難計画の継続的な見直しでは、離島を念頭に港湾の整備促進も求めた。

 会談後、山口知事は記者団に「(原子力)政策、防災対策についてもしっかりやっていく決意はうかがえた」と語った。

 世耕経産相は会談に先立ち玄海原発を視察した。経産相と面談した玄海町の岸本英雄町長は避難のための道路整備を要望した。

 佐賀新聞
 http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/423975