航空自衛隊第2航空団(北海道千歳市)の男性1等空士が3月、89日間の無断欠勤で懲戒免職となった。

所在が分からなかった1士を見つけ出したのは、勤務の合間に捜索を続けた同僚隊員だった。
自衛官の失踪は各地で相次ぎ、そのたびに同僚らが血眼になって行方を追う。
関係者は自衛隊特有の「辞めにくさ」が背景にあると指摘する。

防衛省は自衛官が所在不明になった場合、居場所や原因の徹底調査を訓令などで定めている。
元北部方面総監の酒巻尚生さん(73)=元陸将=は、人材確保の難しさや同僚への悪影響を恐れる考えが背景にあると指摘。

「失踪後に自殺したり、事件を起こしたりするのが最悪の事態で、生死が分かるまで捜し続ける。
同僚にとっては非常に迷惑な話だ」と明かす。

失踪した自衛官らに辞職という選択肢はなかったのか。陸自OBの北海道内の市議は「自衛隊には、辞め方が分からない特有の雰囲気がある。
辞意を伝えてもしつこく引き留められたり、辞職で所属部隊の評価が下がると悩んだりした結果、逃げてしまうのではないか」と推察する。

配信 2017.4.24 10:49

産経ニュース ニュースサイトを読む