神奈川県が所有していた棟方志功作の版画を紛失した問題で、県は25日、版画が何者かに盗まれたとして県警に被害届を提出し、受理されたと発表した。

無くなったのは、県民ホール(横浜市中区)の緞帳(どんちょう)の原画にするために、棟方が製作した「宇宙讃(神奈雅和の柵)」。別に刷られた作品はなく、1974年の取得当時の費用は300万円。

ホールを管理する公益財団法人「神奈川芸術文化財団」(横浜市)に無償で貸し付けていたが、3年前の美術展でカラーコピーだったことが判明。財団が真作を捜したが見つからず、県に今月、紛失を正式に報告した。

県は、県警の捜査とは別に調査チームを設け、報告が遅れた原因などを調査する方針。

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