大阪府東大阪市で3月、タクシー運転手の男性が乗客との会話から、乗客が詐欺グループに誘い出されているのではないかと気付き、説得して、被害を未然に防いでいたことがわかった。

運転手は吉村安二さん(65)。枚岡署によると、3月23日、同市の近鉄・瓢箪ひょうたん山駅前で、70歳代の女性を乗せた。女性は近くの東花園駅を指定したが、非常に慌てているように見えた。
吉村さんが理由を尋ねると、女性は「還付金の手続きをしに行く」「駅前のATMで待ち合わせをしている」と説明。吉村さんが詳しく聞くと、「東大阪市の職員から電話があって指示された」と明かしたという。

吉村さんは、還付金詐欺の手口だと直感。「それは詐欺です」と告げ、駅前に到着後も、「車から降ろしませんよ」と説得したうえ、同署に通報した。
女性は、駆け付けた同署員から、改めて詐欺の可能性を指摘され、思いとどまったという。

吉村さんは4月末、同署から感謝状を贈られ、「お客さんとの会話の中で、ピンときた。お客さんがお金をだまし取られずに済んで本当によかった」と話した。

配信 2017年05月12日 11時56分

YOMIURI ONLINE
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