厚生労働省は12日までに、「貧困ビジネス」に当たるケースもあると指摘される生活困窮者向けの施設「無料・低額宿泊所」の規制を強化する方針を固めた。
部屋の面積など設備や運営上の最低基準を設け、行政が改善命令や勧告を出せるようにする。2018年の通常国会での法改正を目指す。

無料・低額宿泊所は本来、生活困窮者のために無料または低額で住む所を提供する施設。だが狭い部屋なのに高額な料金を徴収する悪質な事例がある。適
切な部屋の広さや利用料などを示したガイドラインはあるが、強制力がなく改善が求められていた。

これに関連し厚労省は11日、施設の在り方に関し有識者らが議論した結果をまとめた報告書を公表。
設備や運営の基準を満たさない事業者に対し、行政が改善命令や勧告などをできるようにする法整備を提言した。
法的な位置付けがないが、生活保護受給者らが入居する「無届け宿泊施設」も対象とする。

厚労省の15年の調査では、無料・低額宿泊所は全国に537カ所あり、1万5600人が入所。
9割以上が生活保護受給者だった。無届け施設は1236カ所、1万6578人だった。〔共同〕

配信 2017/5/12 11:38

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG11HC8_S7A510C1000000/