米 対ISでクルド人部隊に武器供与決定 トルコ反発か
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170510/k10010976001000.html

アメリカ政府は、アメリカ軍とともに過激派組織IS=イスラミックステートと戦ってきたシリアのクルド人部隊に直接、武器を供与することを決め、クルド人勢力と敵対するトルコの反発が予想されます。
アメリカ国防総省のホワイト報道官は9日、過激派組織ISが首都と位置づけるシリア北部の都市、ラッカの奪還に向けて、空爆を行うアメリカ軍とともに戦ってきた「シリア民主軍」のクルド人部隊に対し、
直接、武器を供与することをトランプ大統領が承認したと発表しました。
国防総省は、「『シリア民主軍』は、アメリカが主導する有志連合にとって、ラッカを奪還するための唯一の地上部隊だ。作戦は長く困難なものになるが、最終的にISの壊滅につながる」として、今回の
決定の意義を強調しました。
アメリカ政府は、これまでにもクルド人部隊に直接、武器を供与することを検討してきましたが、シリアの隣国で、対IS作戦の有志連合に参加するトルコは、クルド人勢力と敵対していることから強い
警戒感を示してきました。
国防総省は、「トルコの懸念はよくわかっており、安全を脅かすことがないよう努める」としていますが、トルコ側からは反発が予想され、今月中旬にワシントンで予定されているトランプ大統領とトルコの
エルドアン大統領との首脳会談でも議題の一つとなると見られます。

トルコ・イラン国境の壁建設
http://blogos.com/article/222279/

記事
野口雅昭2017年05月10日 11:43トルコ・イラン国境の壁建設

確か、かなり前にトルコはシリアとの間で、ISやクルド人等の浸透防止のために壁を建設した(その後どの程度まで完成したかは不明)ことは何度か報告したかと思いますが、今度はイランとの間の壁です。

al jazeera net は、トルコがトルコのaghli県とeeghdir県(双方ともアラビア文字からの訳)の間の国境線70kmに沿って、PKKの浸透防止のための壁を建設すると報じています。
この計画はイランにとっても理解困難なものではなく(何しろイランも敵対的なクルド勢力を抱えている)、具体的計画について通報すればよいとのことの由。
記事は、このニュースについてイランとの間の壁建設は前例のないことであるとコメントいています
トルコ政府はこれまでもシリア、イラクのPKK等に対しては空爆を繰り返し、また場合によっては越境攻撃もしてきましたが、さすがに相手がイランでは空爆等もできないので、壁を作ることにしたものでしょう。
その点で、国内にクルド問題(もちろんクルドのみならず、アラブ系やバルーチ等の反政府がいるが)を抱えるイランにとっても、トルコの措置に反対する理由はないのでしょう。