https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170519-00000069-san-pol

航空自衛隊が18日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入した
中国海警局の船の上空を飛んでいる小型無人機「ドローン」に対し、
F15戦闘機を緊急発進(スクランブル)させたことが分かった。
複数の政府関係者が明らかにした。無人機に対するスクランブルは極めて異例。
外務省は同日、ドローンは中国海警局の船から飛ばされたとみて、
在中国大使館公使に厳重に抗議した。

海上保安庁が同日午前10時52分から56分にかけて、魚釣島から約14キロの
領海内で、海警局の船4隻のうちの1隻の船首付近でドローンのような物体が
飛行しているのを確認した。尖閣周辺でこうした物体の飛行が確認されたのは初めて。

スクランブルを行ったのは空自那覇基地(沖縄県)の南西航空混成団第9航空団の
F15戦闘機。同機は18日午前に那覇基地を飛び立ち、ドローンが飛行している
空域に向かった。ドローンが飛び立ったとみられる海警局の船は日本の領海内に
いたため、船から発艦した時点で領空侵犯したとみなされる。

スクランブルは通常、日本の領空に向かって接近する他国軍の戦闘機や
偵察機などに対して行われる。平成25年9月にも中国軍機とみられる無人機が
尖閣諸島北東の公海上で飛行し、空自機がスクランブルした。今回のような小型機にも
スクランブルを行うことで中国の挑発行為を牽制(けんせい)する意図もあったとみられる。

中国機に対するスクランブルは、28年度に851回に上り、過去最多を更新。
ロシア機などを含む全体でも1168回と過去最多だった。昨年12月には中国の空母
「遼寧」が沖縄本島−宮古島間を通過した際、随行のフリゲート艦からヘリコプターが発艦。
スクランブルしたケースもあった。