世界各地で発生した大規模サイバー攻撃で、身代金を要求するウイルスに乗っ取られたパソコンのロックを解除し、暗号化されたファイルを復旧するツールが開発されたと欧米メディアが相次ぎ伝えた。
このツールをテストした欧州刑事警察機構(ユーロポール)欧州サイバー犯罪センターも、「ある条件下でデータを復旧できることがわかった」とツイッターに書き込んだ。

「ワナキウィ(wanakiwi)」と名付けられた復旧ツールを開発したのはフランスのハッカーチーム。
ソフトウエア共有サイトのギットハブで無料公開された。ただし、効果が確認されたパソコンはOSがウィンドウズXP、同7、同2003などで、ワナクライに感染してから再起動をかけていない機種に限られるという。

12日に発覚した大規模サイバー攻撃は、日本を含め、これまでに150カ国・地域で30万台以上のパソコンが感染したとされる。
身代金(ランサム)を要求するランサムウエアの「ワナクライ(WannaCry)」がパソコンを乗っ取り、内部のファイルを暗号化。

その上で、仮想通貨ビットコインで300ドルから600ドルの支払いを求め、1週間以内に支払わないとパソコン内のファイルが永久に暗号化されたままになるという内容が画面に表示される。
今回の復旧ツールは、その支払い期限が迫るギリギリのタイミングで公開された。

http://www.nikkan.co.jp/articles/view/00428945?twinews=20170520