1831年(天保てんぽう2年)に佐賀県で起きたとされるマグニチュード6・1の地震が、実際は福島県で発生した可能性があるとする研究成果を、京都大の加納靖之助教(地震学)がまとめた。

 千葉市で開催中の日本地球惑星科学連合大会で22日、発表する。

 この地震は、天保期の見聞をまとめた「天保雑記」で紹介。31年10月16日(旧暦)、江戸の老中に「昨十日之暁丑ノ刻地震強(昨日10日の明け方に強い地震があった)」「城郭石垣等所々損所出来(城や石垣などが所々崩れた)」との書簡が届いたと記されている。

 場所を示す言葉はないが、書簡の差出人は、佐賀藩主を意味する「松平肥前守ひぜんのかみ」。このため、研究者の間でも佐賀県の地震と考えられており、政府の地震調査研究推進本部や佐賀県の資料にも記載されている。

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2017年05月20日 18時35分 読売新聞
http://yomiuri.co.jp/science/20170520-OYT1T50105.html