「鬱傾向にある人」の9割以上が医療機関で診断を受けていない−。
鬱傾向にある人の意識と行動に関する調査で、こうした結果がまとまった。
調査を担った藤田保健衛生大医学部の内藤宏教授(精神神経科)は「身近な内科医に相談し、そこから精神科受診を勧める体制づくりが必要」と話している。(村島有紀)

 この調査は、鬱状態でありながら、医療機関で診断・治療を受けていない潜在的な鬱病患者がどのような行動を取っているかを明らかにするため、塩野義製薬(大阪市)がインターネット上で行った。

 20歳から69歳までの1万9975人を調査。その結果、(1)最近1カ月間、気分が沈んだり、憂鬱な気持ちになったりすることがよくあった
(2)最近1カ月間、物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめないことがよくあった−の2つの質問で、いずれかが当てはまった人を「鬱傾向あり」に分類したところ、39%(7796人)が該当した。

 鬱傾向にある人は、ない人(1万2179人)に比べ、疲労倦怠(けんたい)感の身体的不調は2・5倍、睡眠障害も2・4倍、食欲不振または過食の割合も2・8倍多かった。
さらに精神的不調については、「不安で、いてもたってもいられない」「気分が重苦しく、泣きたくなる」「死にたいと思うことがある」などがある割合が、5倍以上に上っていることが分かった。

 藤田教授は「鬱病は早期発見すればカウンセリングを受けたり、生活環境を変えたりすることで、薬を飲まなくても治るケースも多い。
早期発見・早期治療がその後の治療期間の短縮につながる」と、受診と診断の重要性を強調する。

 また、鬱傾向があっても、医療機関で「鬱状態」などと診断をされている人はわずか8・1%で、約9割が未診断であることも分かった。
未診断者(2028人)のうち、身近な内科医がいる人は約半数で、そのうち、相談する意向のある人は約3割、実際に相談できた人は1割にとどまった。

 相談したくない人の傾向は、「医師との関係が良好でない」「医師に相談しても、不調改善の効果を期待していない」など。
また、「身近な内科医がいない」ケースは、20代、30代の若年層が比較的多く、「不調に対する重症意識が低い」「医師だけでなく家族や周囲との関係性も良好でない」といったケースが目立った。

 内藤教授は「相談したくないと回答した人の意見の中では、『医者は病気は診てくれるけど、病人として見てくれない』などもあり、医師側が改善しなければならない点も多く、医師の態度教育の必要性を痛感した」とする。

以下ソース先で
http://www.sankei.com/images/news/170523/lif1705230034-p1.jpg
http://www.sankei.com/life/news/170523/lif1705230034-n1.html