5月24日 8時43分 NHKWeb

古代エジプトのツタンカーメン王の墓から見つかった副葬品などを日本の支援で建設中の新しい博物館に移送する作業が23日、始まりました。

移送が始まったのは、およそ100年前、エジプト南部ルクソールの「王家の谷」で、ツタンカーメン王の墓からミイラとともに見つかった儀式用の戦車とベッドなど71点です。

これらの副葬品は、現在、首都カイロにある国立の博物館などに展示されていますが、建物が老朽化したため、日本の支援でカイロ近郊のギザに建設中の「大エジプト博物館」に移されることになりました。しかし、エジプトでは、貴重な文化財を運搬する際のノウハウが十分に蓄積されていないため、日本から派遣された専門家が技術指導に当たりました。

博物館の担当者はアドバイスを受けながら、副葬品を輸送中の衝撃から守るため、二重の箱に入れて厳重に保護したうえでトラックに載せ、時速30キロほどのゆっくりとしたスピードで慎重に運んでいきました。
技術指導を行った日本通運美術品事業部の正田陽児次長は「エジプトにはこの分野で中東を引っ張ってもらいたいので、われわれのアドバイスが役立てばありがたいです」と話していました。

新しい博物館に運ばれた副葬品は修復作業を行ったうえで、来年、公開される予定です。

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