特定の地域で生産される農林水産品の品質を保証する国の「地理的表示保護制度(GI制度)」に26日、「大分かぼす」が登録された。

 かんきつ類での登録は全国で初めて。大分県や生産者は「ブランド力をさらに高め、販路拡大につなげたい」と意気込んでいる。

 大分かぼすは、県内で生産されたカボス果実のうち香りが最高となる緑色の時期に収穫したものを大きさや形で選別し、県や生産者などでつくる「県カボス振興協議会」が認定している。さわやかな香りとほどよい酸味が特徴で、果汁を搾って料理に使うことで、食材の味を引き立てるという。

 県内では昭和40年代からカボスの生産が広く行われ、平松守彦前知事(故人)が提唱した一村一品運動により、県の特産品として全国的に知れ渡った。2015年度の生産量は約5500トンで、例年、全国の出荷量の9割以上を占めている。

 農林水産省によると、今回の審査では、大分かぼすの品質に加え、ビニールハウスでの栽培などにより、1年を通じて出荷できる生産体制も高く評価されたという。県おおいたブランド推進課の吉止勝幸・流通企画監は「今回の登録でブランド向上が見込めるうえ、今後は海外への出荷も期待できる」と話す。

 臼杵市でカボス農家を営む、JAおおいたカボス部会の藤原輝幸部会長(52)は「地域のブランドを国が保証してくれたことは、生産者にとって意欲につながる。これを機に、毎年安定した生産が出来るよう精いっぱい努力したい」と喜びを語った。

 GI制度は15年に始まり、今回で35品目が登録された。県産品の登録は、昨年12月の「くにさき七島藺しちとうい表」に続き2例目となる。(大河翔)

2017年05月28日 18時01分 読売新聞
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GI制度に登録された大分かぼす(大分県提供)