平成27年11月に「いじめられたくない」と日記に残して自殺した茨城県取手市立中3年の中島菜保子さん=当時(15)=の両親が29日、文部科学省を訪れ、原因を調べるために市教育委員会が設けた第三者調査委員会は中立性や遺族への配慮を欠いているとして、調査中止と解散を求める申し入れ書を提出した。

 両親の代理人弁護士によると、市教委は昨年3月に第三者委の設置を決めたが、市教委の臨時会はこの時点で既に、いじめ防止対策推進法で規定され、子供の心身に大きな被害があったとする「重大事態」に該当しないと議決していた。

 両親は、菜保子さんの友人らへの聞き取りで、いじめを受けていたことが分かったと主張。担任教諭もいじめの兆候を見逃したと指摘している。申し入れ書では「第三者委は議決通りの事実認識の下、両親が提供したいじめの証拠に基づく聞き取りをしていない」とした。

 記者会見した父考宜さん(45)は「菜保子がいない今、希望も何もない。第三者委に訴えが受け入れてもらえず、さらに苦しんでいる」と訴えた。市教委は「調査中なのでコメントできない」としている。

2017.5.30 13:23 産経新聞
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/170530/afr1705300021-s1.html