障害者を排除しない、真の共生へ 京都で「DPI」全国集会
2017年06月04日 12時52分
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170604000047

 障害者団体「DPI日本会議」の全国集会in京都が3日、京都市上京区のホテルで開幕した。初日は本年度の総会があり、障害者を排除しない「インクルーシブな社会」を合言葉に、関連法の改正や権利擁護に取り組む方針を確認した。障害者の差別解消を目的に京都府が2015年に施行した条例を巡る報告も行われた。
 DPI日本会議は、障害者の権利と自立生活を保障する社会を目指し、政策提言や国際交流に取り組んでいる。全国集会の京都開催は2回目で、全国の障害者や介助者ら約400人が出席した。
 報告では、完全施行から2年が経過した府の条例について、集会実行委員長で日本自立生活センター(南区)代表の矢吹文敏さんが検証した。
 車いすで生活する矢吹さんは「障害者が勇気を出して相談したのにあしらわれるケースがある」と行政に対応改善を求め、「本当の共生社会づくりに向け、私たちも一緒にまちづくりを進めなければならない」と呼び掛けた。
 総会では、障害者権利条約の完全実施やバリアフリー法改正に向けた取り組みなど本年度の活動方針を承認した。最終日の4日には昨年7月に相模原市の知的障害者施設で入所者19人が刺殺された事件が問う優生思想など五つのテーマで分科会が開かれる。