乳がんリスク高い体質の女性への通知 ガイドライン作成へ
日本放送協会:2017年6月5日 17時07分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170605/k10011007131000.html

女性がなるがんで最も多い乳がんの検診で、がんが見逃されるリスクが比較的高い体質の女性にどのように通知するか自治体によって対応が異なり、患者団体などから批判が出ています。
このため、厚生労働省はほかの検査を紹介するなど、きめ細かい対応を求めるガイドラインを作成することになりました。

40歳以上の女性を対象にした自治体の乳がん検診は国の指針で「マンモグラフィー」と呼ばれ、エックス線の検査を行うことになっています。

ただ、日本乳癌検診学会によりますと、日本人女性のおよそ4割は乳腺の密度が高い「高濃度乳房」という体質だと推定されています。
この場合、がんが乳腺に隠れて画像に写りにくく、検査の精度が最大で50%ほど下がるとされ、見逃しのリスクが指摘されるようになりました。

しかし、国の指針ではこうした体質を通知するかどうか定めがなく、8割を超える自治体が乳がん検診の結果として、
『異常なし』などと伝えるにとどまっていて、患者団体などから批判が出ています。

このため厚生労働省は5日、専門家会議を開き、高濃度乳房の場合、マンモグラフィー検査ではがんの判別が難しいとしたうえで、
がんが見逃されるリスクをきちんと説明したり、超音波の検査など乳腺の密度が影響しない検査を紹介したりして、
通知を受けた人が不安にならないよう自治体側にきめ細かい対応を求める方針を決めました。

厚生労働省は今後、自治体の対応をまとめたガイドラインを作成し、来年3月までに示したいとしています。

厚生労働省は「国としては有効性が確立しているマンモグラフィーを勧めているが、
自治体には受診者に対し、体質を正しく理解してもらったうえで、自費で受けられる別の検査などを丁寧に示してほしい」と話しています。