県産業労働局は、県内の「さがみロボット産業特区」事業で開発された、救助用浮輪を搭載する小型無人機「ドローン」のデモ飛行を、神奈川県相模原市内の廃校舎敷地で行った。海や川でおぼれた人や、自力で岸にたどり着けなくなった人などに対する迅速で安全な救助が期待されている。

 同機は、おぼれている人の上空に飛んでいき、浮輪を投下することができる。浮輪にロープをくくりつけ、岸からたぐり寄せる救助方法を想定している。

 浮輪はボックスに収納されて機体に取り付けられ、着水すると弁が溶け、ガスが注入されて膨らむ。着水後約10秒で直径約50センチの浮輪ができあがる。

 同機は浮輪を最大5個搭載し、救助ポイントごとに順次落としていく。拡声器を搭載し、増水で中州に取り残された人や川へ入ろうとする人に、上空から助言や警告をすることもできる。

 機体は幅約1メートル、高さ約60センチ。重量約5キロで、積載量は最大約7キロ。滞空時間は約15分間で、最大2キロ先まで飛ぶことができる。操作はカメラの映像を見ながら行い、「一般のラジコンヘリと同程度の技術があれば扱える」(産業特区協議会担当者)。日本サーキット(川崎市)が開発し、すでに販売している。価格は250万円から。

 県内12市町の「さがみロボット産業特区」では、企業に対して災害、医療、介護を目的としたロボットの開発支援を行っている。今回開発した災害救助用ドローンについて、日本サーキットの新規事業開発部長、元風呂修さんは「災害時に自治体や消防署などで役立てていただきたい」と話している。

2017.6.5 14:42 産経新聞
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