0001和三盆 ★
2017/07/03(月) 01:29:26.85ID:CAP_USER9陸上と比べて安定した発電が見込まれる一方、沿岸の住民は、風車から発生する低周波音による健康被害などを懸念している。洋上風力発電は全国的に広がりつつあり、地域振興へ活用しようという動きもある。事業を円滑に進めるには、メリットだけでなくデメリットについてもしっかりと調べ、住民の理解を得ることが求められている。
◆約4万世帯分の発電量
住宅やスーパー、病院などが立ち並ぶJR安岡駅周辺。西側には響灘が広がっていた。風力発電は、一帯の住宅から最短で約1・5キロの沖合に建てられる。
計画を立てたのは、ゼネコン準大手の前田建設工業(東京)。同社が昨年11月に経済産業相へ提出した環境影響評価準備書によると、出力4000キロ・ワットの風車(支柱の高さ約88メートル、羽根の長さ約65メートル)を15基建設し、総出力は6万キロ・ワット。年間発電量は約4万世帯分に相当する。水深約10〜23メートルの海域にコンクリート製の構造物で各風車の土台を築き、早ければ2020年から稼働する。
同社は、立地に好条件の土地が減る中、年間を通じて一定の風が吹き、水深が浅く、資材運搬に便利な人工島が近くにある点を評価して、この海域を選んだ。
環境省によると、洋上は陸上より建設費などのコストがかかるが、強い風が安定して吹く傾向があるという。同社は20年間、売電する予定で、「事業として成り立つと判断した」としている。
◆騒音被害などを懸念
一方、地元では不安の声が出ている。
反対派の住民グループ「安岡沖洋上風力発電建設に反対する会」は、風車の回転で発生する低周波音への懸念を訴える。低周波音は人間の耳では聞き取りにくいが、空気を振動させ、不眠、吐き気、めまいなどを起こすと主張。建設工事で海水が濁って魚類が集まる藻場に悪影響を与え、景観も悪化するとしている。
これに対して、同社は「風車の低周波音による影響は大変小さい」とし、設置海域に藻場はほとんど分布せず、漁業への影響も少ないとしている。
〜中略〜
◆住民の理解必要
洋上風力発電は全国的に広がる見通しで、地域振興に活用する動きが出ている。
北九州市は2010年、同市若松区の響灘地区を洋上風力発電の拠点にしようと、風車の部品工場や、保守点検作業の訓練施設などを誘致する事業に着手。市の公募で選ばれた九電みらいエナジーなどで構成する共同企業体は22年以降、同地区沖に出力5メガ・ワット級の風車を最大44基建設する計画だ。
千葉県銚子市沖では東京電力などが1基を建設し、13年から実証実験を開始。同市は今年度、洋上風力推進室を新設した。漁業と共栄し、景観と調和する風力発電の誘致を目指している。
山口大の浮田正夫・名誉教授(環境衛生工学)は「下関のように住宅地から近い洋上に風力発電を造るのは珍しい。事業者はより丁寧に説明を尽くすべきだ」と指摘している。
2017年07月02日 20時48分読売新聞
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