https://www.cnn.co.jp/m/fringe/35105312.html

(CNN) 全身が鎧(よろい)のような装甲に覆われた戦車のような巨大恐竜に関する詳細が、3日の学術誌に発表された。研究チームはこの恐竜を「ボレアロペルタ・マークミッシェルアイ」と命名している。

B・マークミッシェルアイは1億1000万年ほど前の白亜紀に生息していた草食恐竜で、体重約1.3トン、体長は現代のピックアップトラック以上、背中は角のように突き出た突起に覆われ、茶色い皮膚でカムフラージュして天敵から身を隠していた。

この恐竜の化石は2011年3月、カナダのアルバータ州でオイルサンドの採掘中に偶然発見され、国際研究チームが調査を進めていた。

化石は保存状態が極めて良好で、背中の装甲などもほぼ完全な状態で残っていた。化石は現在、アルバータ州にあるロイヤル・ティレル古生物学博物館に展示されている。

論文の筆頭著者である同博物館のケレブ・ブラウン氏は、「骨格だけでなく、皮膚も全てが保全され、つぶれたり腐ったりもしていなかった。生きていた時と同じ姿で残っていた」と語る。

5年がかりで化石にこびりついた岩石を少しずつ削り落とす作業を担当したのは、同博物館の技術者マーク・ミッチェル氏。恐竜の名称は同氏にちなんでいる。

化石が研究できる状態になると、研究チームはCTスキャンを使って骨格を調べ、装甲の形態や皮膚の成分なども分析した。

その結果、皮膚は赤みがかった茶色をしていたと断定。この色でカムフラージュして天敵から身を隠していたと推定する。腹部の皮膚は、背中に比べて明るい色をしていた。

白亜紀の北米大陸には、アクロカントサウルスなどの大型肉食恐竜が生息していて、マークミッシェルアイもその餌になっていたと思われる。

研究チームはマークミッシェルアイを新種の鎧竜に分類。姿は同じ鎧竜のアンキロサウルス属に似ているが、生息時期などから推定して、新しい属のボレアロペルタ属に分類している。

2017.08.04 Fri posted at 11:48 JST

1億1000万年前のボレアロペルタ・マークミッシェルアイの想像図
https://www.cnn.co.jp/storage/2017/08/04/36f7ab341489c9a372a6f03e1ab0f0dc/t/320/180/d/01-new-armored-dinosaur-story-top.jpg