国家戦略特区による獣医学部新設を巡り、政府のワーキンググループ(WG)が二〇一五年六月に愛媛県と今治市からヒアリングした際、学校法人「加計(かけ)学園」の幹部が同席していたのに、公開された議事要旨には名前も発言も記載がないことが、学園側や他の出席者への取材で分かった。
WGの八田達夫座長は六日、政府の特区のホームページにコメントを掲載して同席の事実を認め、加計学園の立場を「説明補助者」とし「参加者と扱っていないので記載しなかった」と説明した。

安倍晋三首相は七月二十五日の参院予算委員会で「特区の運営は、議事をすべて公開するオープンな形で議論している」と答弁したが、議事要旨は「加計隠し」とも取られかねない。

議事要旨に記載されている出席者は、事務局を除き、八田氏らWG委員四人と、特区提案者の愛媛県、今治市の担当者三人。
提案者ではない加計学園は記載がないが、学園の吉川泰弘・新学部設置準備室長は本紙の取材に出席の事実を認め、「教員確保や感染症対策の質問に答えた記憶がある」と話した。

八田氏はコメントで「今治市が独自の判断で加計学園関係者三人を同席させていた」と説明。「通常、説明補助者名を議事要旨に記載していない。特区の制度趣旨にかなう運営だった」としている。

八田氏のコメントによると、議事要旨は当初、愛媛県と今治市が議会対策や反対派・競合相手との関係から非公開を要望。いったんは非公開にすることとしたが、今年一月に特区による獣医学部新設が決定した後、経過をできる限りオープンにしようと、今年三月六日に議事要旨を公開したという。
要旨公開の三日前には、国会で加計学園の問題が取り上げられていた。

加計学園と競合していた京都産業大は京都府との共同提案者で、昨年十月のWGヒアリングの議事要旨には出席者の名前や発言が記載されている。 (中沢誠)

<政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)> 有識者の民間委員が特区の提案者や規制官庁からヒアリングする場で、非公開で行われ、議事録の簡略版に当たる議事要旨を公開している。
WGでの議論は、首相が出席する最高意思決定機関の諮問会議などでの審議に反映される。現在の委員は大学教授や経営者ら9人。

配信 2017年8月7日 朝刊
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017080702000138.html

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加計幹部同席の不記載「通常の扱い」 WG座長が見解
http://www.asahi.com/articles/ASK866HP2K86UUPI001.html
(※記事抜粋)
ヒアリング内容については当初、愛媛県・今治市側が非公開を希望したとし、提案の実現を受けて今年3月、「できる限りオープンに」との八田氏の判断で議事要旨を公開したという。
その際、「公開する内容を調整した」としている。公表された議事要旨には、愛媛県の局長が公開の扱いを了承したやりとりが記されている。

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