8/7(月) 18:13配信

 京都国立博物館は7日、平安時代の仏画で国宝の「不動明王像(黄不動)」から、制作前に行う宗教儀式「御衣絹加持(みそぎぬかじ)」の痕跡が見つかったと発表した。

 同様の儀式は文献に記録があるが、実際に確認されたのは初めてという。

 不動明王像は12世紀の作品で、曼殊院(京都市左京区)が所蔵。痕跡は修復作業中に発見された。

 御衣絹加持は、制作を始める際に「香水(こうずい)」を使い、これから描こうとする仏の姿を描く儀式。仏師や使用する道具を清める意味があるが、香水は無色透明で跡が残らない。

 今回、修復のため不動明王像(縦約167センチ、横約80センチ)を調べたところ、香水でなぞるための下書きが薄墨で描かれていたことが赤外線写真で分かった。腹の辺りに不動明王像の10分の1以下、手のひら大の不動明王が描かれていた。

 同博物館の大原嘉豊保存修理指導室長は「仏画が信仰対象だったと分かる貴重な発見。同様の痕跡を見つける端緒になるのではないか」と話している。不動明王像は10月3日から同博物館で公開される。 

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