[国連 14日 ロイター] - 米国は国連の対北朝鮮制裁の強化を提案するにあたり、北朝鮮からの繊維輸出の禁止、同国政府や軍への石油供給の停止を盛り込む可能性が高い。複数の外交官が明らかにした。

国連の安全保障理事会は5日、北朝鮮が7月に実施した2回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて、2006年以来8度目となる制裁決議を全会一致で採択。石炭や鉄鉱石、海産物などの輸出を禁じることで、年間30億ドルに相当する輸出を3分の1削減することを目指す。

ただ、外交官らによると、北朝鮮のミサイル・核開発の資金源を断つため、追加で約20億ドル相当の輸出を削減する制裁強化案が検討される可能性がある。

5日の制裁決議採択後に米国と北朝鮮の間で緊張が高まる中、一部の外交官は、安保理が近く9度目となる対北朝鮮制裁決議案の協議に入る可能性を指摘する。

安保理の外交筋が匿名を条件に語ったところでは、安保理は削減を目指す北朝鮮の輸出額20億ドルを業界ごとに割り振り、繊維などの輸出を禁じる可能性がある。

大韓貿易投資振興公社(KOTRA)によると、北朝鮮の昨年の繊維輸出額は7億5200万ドルで、石炭などの資源輸出に次いで2番目に大きい。中国税関のデータでは、繊維輸出の約8割は中国向けという。

外交官らによると、安保理の新たな制裁にはほかに、北朝鮮国営高麗航空の乗り入れ禁止、北朝鮮政府や軍への石油供給停止、公海上の船舶停止、北朝鮮高官に対する資産凍結や渡航禁止措置が含まれる可能性がある。

高麗航空は現在、北京や丹東など中国の少数の都市とロシアのウラジオストクに乗り入れている。

また、5日の安保理制裁決議では、海外で働く北朝鮮人労働者を現在の水準から増やすことが禁じられたが、今後の制裁では、北朝鮮人労働者の海外での雇用が完全に禁止される可能性もあるという。

配信 2017年 08月 15日 10:03
ロイター
https://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-un-idJPKCN1AV01J

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