北朝鮮がミサイルを米領グアムに向け発射する計画を発表したことを受け、グアムで核攻撃に備えたマニュアルが市民に公開された。その中に、思いも寄らない意外な注意事項が記載されており、大きな話題となっている。

■被曝後にコンディショナーを使うとヤバイ!

北朝鮮からミサイルが発射された場合、すぐさま韓国に配備されているTHAAD、日本海に展開しているイージス艦、日本に配備されているPAC3から迎撃ミサイルが発射され、かなりの確率で撃墜されるものと想定されているが、グアムに着弾、深刻な核汚染を引き起こす可能性もゼロではない。

「グアム災害・緊急時対策室」が公開したマニュアル「FACT SHEET」によると、ミサイルが着弾した場合、まず何よりも屋内への退避が推奨されているが、屋外で被曝した場合の11項目からなるマニュアルも用意されている。いくつかご紹介しよう。

・失明の恐れがあるため、爆発を直視しない
・遮蔽物の裏に隠れる
・放射性物質の拡散を防ぐため、すぐに衣服を脱ぎ、ビニール袋で密閉し、人や動物から離れた場所に廃棄する
・可能であれば、大量の洗剤と水で体に付着した放射性物質を洗い流す。ただし、こすったり、引っ掻いたりしてはいけない
・シャンプー、石鹸、あるいは水で髪の毛を洗い流す。ただし、コンディショナーを使用してはいけない。

おおむね賛同できる内容だが、1つ首をかしげたくなる注意書きがある。なぜ「コンディショナーを使用してはいけない」のだろうか? ちなみに、米政府の災害マニュアル「Ready.gov」でも、被曝後のコンディショナーの使用が禁じられている。緊急事態に髪の毛のキューティクルを気にする暇があるかどうか分からないが、普段の癖で、洗髪後にコンディショナーを使ってしまうことはあるかもしれない。だが、それがどうして問題なのだろうか?

科学系ニュース「Science Alert」(8月16日付)によると、シャンプーや石鹸は肌や髪に付着した物質を“洗い流す”作用があるのに対し、コンディショナーには「カチオン活性剤」と呼ばれる化合物やポリマーが含まれており、これらが糊のように働くことで、放射性物質が髪にくっつき、キューティクルに入り込んでしまうという。髪の毛に入り込んだ放射性物質からの外部被曝を避けるため、コンディショナーは使用してはいけないということのようだ。ここでは言及されていないが、コンディショナーとほぼ同様の効果があるリンス、トリートメント、リンスインシャンプーの使用も控えるべきだろう。

さらに、化学者ペリー・ロマノフスキー氏によると、同様の理由で、被曝後のスキンローション、保湿化粧水、オイルを含んだ化粧品の使用は避けるべきとのことだ。これらを肌に使用すると、空気中の放射性物質をひきつける可能性があるという。

北朝鮮は現在もミサイルの発射体制を崩しておらず、今月21日の米韓合同軍事演習に合わせて、大きな動きがあるといわれている。着弾予定地はグアム沖であるが、日本列島を通過するため、我々も油断できない状況だ。今一度、日本政府が公開している「内閣官房国民保護ポータルサイト」で、ミサイル着弾時の行動マニュアルを確認しておいた方が良いかもしれない。ただし残念なことに、こちらには核爆発時にコンディショナーの使用を禁じる項目は存在しないようだ。
(編集部)

http://tocana.jp/2017/08/post_14170_entry.html