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天皇皇后両陛下が、ことし11月、鹿児島県の屋久島と奄美群島の島々を訪問される方向で調整が進められていることがわかりました。天皇陛下は、去年8月、退位の意向がにじむお気持ちを表した際「遠隔の地や島々への旅も、大切なものと感じてきました」と述べられていて、今回の訪問も皇后さまとお二人で強く望まれたということです。

関係者によりますと、両陛下は、ことしの11月16日から3日間程度の日程で、鹿児島県の屋久島と、奄美群島の与論島や沖永良部島を訪問される方向で調整が進められているということです。

鹿児島空港で飛行機を乗り換えて島々を回る予定で、初日に、上空から、おととし爆発的な噴火が起きた口永良部島を視察したあと、屋久島を訪ねられる計画です。そして、町長や口永良部島の住民から噴火の様子や復興状況について話を聞かれる見通しです。

2日目には、鹿児島県最南端の島、与論島を訪れ、室町時代から伝わる「与論十五夜踊り」を鑑賞するほか、大潮などの干潮時に沖合に現れる砂浜をご覧になることも検討されています。

3日目は、沖永良部島の小学校を訪れ、子どもたちによる特産の黒砂糖づくりを見学するほか、校庭にある樹齢100年を超えるガジュマルの木をご覧になることも検討されているということです。

両陛下は、初日は屋久島に泊まり、2日目は沖永良部島に宿泊される方向で調整が進められているということです。

両陛下は、かねてから鹿児島県の島々への訪問を望まれ、ここ数年、宮内庁が何度か検討してきましたが、日程を組む難しさなどから訪問はかないませんでした。

宮内庁は、高齢の両陛下の体調や負担も考慮して日程を固めていく方針で、今回の旅が実現すれば、両陛下にとって屋久島は45年ぶりで、与論島と沖永良部島は初めての訪問となります。

両陛下は、天皇陛下の即位後15年で、すべての都道府県を訪れたほか、全国各地の島々にも足を運んでいて、皇太子夫妻の時代も含めると、これまでに訪問された島の数は、北海道から沖縄までのおよそ50に上ります。

天皇陛下は、去年の8月8日のビデオメッセージで、「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、天皇の象徴的行為として、大切なものと感じてきました」と遠隔地や島に寄せる思いを述べられていて、今回の訪問も皇后さまとお二人で強く望まれたということです。

両陛下が、沖縄本島を除く国内の島を訪問するのは、3年前、台風による豪雨で大きな被害を受けた伊豆大島を訪問されて以来になります。

天皇陛下 島々への思い

天皇陛下は、去年の8月8日、ビデオメッセージで象徴としての務めについてお気持ちを表す中で「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、大切なものと感じて来ました」と述べられていました。

お気持ちの中で天皇陛下は、自身の務めについて「時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました」としたうえで、象徴としての役割を果たすため国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を育てる必要を感じてきたと述べられました。

そして、「日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました」と胸の内を語られました。

そのうえで、皇后さまと行ってきたほぼ全国に及ぶ旅で、その地域を愛し地道に支える市井の人々がいることを認識したと振り返り、「この認識をもって、天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした」と述べられていました。
(リンク先に続きあり)

8月16日 19時03分