http://www.asahi.com/articles/ASK7X71SHK7XOIPE03M.html
 乳幼児への予防接種事業で、期限切れワクチンの使用や、種類の取り違えといったミスが後を絶たない。実施する市町村から国に報告された件数は年々増えており、国が公表した中で最新の2015年度は6千件を超えた。どうすればミスを防げるのか。

■法改正でワクチン増、一因か

 妹に打つはずの2種混合ワクチンを姉に接種▽12歳女児に本来の5倍の量のワクチンを接種▽4カ月の乳児に接種する際、誤って看護師の手に刺した針をそのまま使用――。

 いずれも、愛知県が県内市町村から報告を受けた予防接種時のミスだ。接種間隔やワクチンの種類、接種量、対象者の間違いといった「健康被害につながりかねない」事例は、14年度723件、15年度498件、16年度569件に上る。

 本来接種すべき水痘(水ぼうそう)ではなく日本脳炎のワクチンが1歳男児に使われた事例は、並んでいた子ども2人のワクチンの取り違えが原因だった。県はこうしたミスを「確認の徹底で十分に防げた」として、毎年、県医師会や市町村に通知で注意を呼びかけている。

 厚生労働省が全国の市町村から報告を受けたミスは近年増え続け、14年度5685件、15年度6168件だった。

 名古屋市から定期予防接種を受…

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ワクチンのロットシールの一例。記録のため医療機関が母子手帳に貼る。「DPT」は三種混合ワクチン、「2010.4.10」は有効期限を示している(名古屋市提供)
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170816002775_comm.jpg
予防接種時の事故の内訳
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170816004206_comm.jpg