2017年8月25日5時4分
 築地市場の豊洲市場への移転時期について、東京都が、来年秋を軸に検討していることが分かった。都は移転時期を来年春〜秋としてきたが、豊洲市場で実施する追加の土壌汚染対策や市場業者の移転準備に時間がかかることから、来春の移転は困難と判断した。

 都は7月、豊洲市場地下の底面をコンクリートで覆うなどの追加対策を施した後、来年春〜秋に移転に向けた環境が整うとの見通しを示した。だが追加対策に着手できるのは、28日から始まる臨時都議会で今年度分の移転関連費約55億円の補正予算が成立した後だ。対策工事には6カ月かかる上、その前に入札や契約手続きなども必要なため、都は来春の移転は困難とみている。

 小池氏は6月、移転時期について「最短で来年5月」との見通しを示したが、市場業者の団体からは「十分な移転準備をするには5月移転は厳しい」との声が出ており、都はそれにも配慮したという。

 一方、築地市場跡地は2020年東京五輪・パラリンピックで駐車場や輸送拠点に使う予定。都は、その整備期間などを踏まえると来秋ごろまでに移転するのが望ましいとみている。(小林恵士)

http://www.asahi.com/articles/ASK8S5H1LK8SUTIL01P.html