http://www.asahi.com/articles/ASK8Z3V4XK8ZTLVB007.html

SNSでのいじめ、アプリで匿名通報 熊本県が試験導入
大畑滋生2017年8月30日18時20

 熊本県教委は30日、ネットやSNS上でのいじめ行為を匿名で通報できるアプリを9月から試験導入すると発表した。同県では2013年に県立高校1年の女子生徒がLINE(ライン)の書き込みをきっかけに自殺しており、再発防止への対応を求められていた。大人から見えにくいトラブルの把握に役立つと期待されている。
 導入するのは「キッズサイン」というアプリ。学校でのいじめやネット上での中傷、個人情報をさらすなどの行為を見かけた生徒は、スマートフォンやパソコンから学校名やいじめの状況、被害者、加害者の名前などを入力。通報内容は運営会社の「アディッシュ」(東京)が学校に連絡し、誰が通報したかは学校に伝わらない仕組み。写真や動画も投稿できる。
 ネット閲覧ソフト(ブラウザー)上で動くアプリなので、ダウンロードの必要がない。9月から玉名高・同付属中、熊本商業高、南稜高(いずれも県立)で試験導入し、2018年度以降に全県立高校で導入する。市町村立学校へも普及を図る。県教委の牛田卓也・高校教育課長は「SNSのトラブルは大人から見えにくく、今まで拾えていない声を拾える」と話している。県教委などによると、このアプリは全国で約50校が導入しているが、県単位での導入は初めてという。(大畑滋生)