0001みつを ★
2017/09/05(火) 23:26:15.07ID:CAP_USER9Lisa Jucca
[4日 ロイター BREAKINGVIEWS] - イタリアの反体制派「五つ星運動」の幹部議員、ルイジ・ディ・マイオ氏は3日、ユーロ圏離脱の是非を問う国民投票の実施は最終手段だと述べた。従来の姿勢を変えたことで、来る選挙に向けて市場と実業界をなだめる効果が期待できそうだ。
シチリアでの地方選を2カ月後に控えた今、ディ・マイオ氏は国民投票が既定路線ではないことを示唆し、欧州連合(EU)から財政面で譲歩を引き出すための駆け引きの手段にすぎないと位置付けた。同氏がユーロを非民主的だと述べたのは、ほんの数カ月前だ。
同運動は現実主義に目覚め始めているのかもしれない。第一に、ユーロ加盟は国際条約の問題なので、国民投票を実施するには法律の変更を要する。イタリアが10年ぶりの高い成長率を達成しそうな勢いで、失業率が2008年水準を回復する中、ユーロに対して敵対姿勢を採れば国民一般を遠ざけるかもしれない。従来より主流派らしい安心感のあるイメージを打ち出すことで、五つ星運動は与党・民主党に対抗するチャンスが出てきそうだ。
賭けの勝算は十分にある。五つ星運動の人気は健在だ。ウェブサイト、テルモメトロ・ポリティコによると、選挙でどの党派に投票するかを聞いた8月半ばの調査で、五つ星運動の支持率は27.4%と、人気を落としつつある民主党の27.6%と肩を並べた。得票数に換算すると、2014年の欧州議会選から3割強増えている。五つ星運動が主流政党から票を奪うなら、来年5月の国政選挙後にはハングパーラメント(中ぶらりん議会)になる可能性が高まる。
ユーロ離脱のカードは慎重に切る必要がある。エリート層にすり寄り過ぎれば、元の扇動的なスタイルに引かれていた層が離れていくかもしれない。ディ・マイオ氏のユーロを巡る発言は曖昧なので、必要とあれば軌道修正を図る余地もある。しかしはっきりしているのは、五つ星運動の勢いが衰えていないことと、以前より主張が穏健になってきたことだ。ひとかどの勢力と見なされる条件を備えたといえる。
●背景となるニュース
*五つ星運動が国政を担った場合の首相候補と目されるディ・マイオ氏は3日、イタリアのユーロ離脱の是非を問う国民投票について、あくまでEUから財政的な譲歩を引き出せなかった時の最終手段だと述べた。コモ湖岸のチェルノッビオで開かれた財界人や政策担当者の会合で語った。
*イタリア南部シチリア州の選挙は11月に、国政選挙は来年春に予定されている。
2017年 9月 5日 10:57 AM JST