http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170907/k10011130561000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005

去年の秋、大学病院の診察室。パソコンの画面で検査結果を見ていた医師が、私に“がん”だと伝えました。その時、一番に考えたのは、「自分の肩書きを“がん患者”にしたくない」でした。そういう思いを抱いていたのは私だけではありませんでした。(ネットワーク報道部記者 宮脇麻樹)

8月、東京・日本橋で「LIVING WITH CANCER」という撮影会が行われました。モデルになったのはおよそ60人。化粧品メーカーがヘアメイクを担当し、フォトグラファーが撮影した写真に、その人が熱中していることを書いてポスターにします。モデルはがん患者やがんの経験者です。

月村さん(左)と御園生さん(右)
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このプロジェクトを企画したのは、会社員の御園生泰明さんと、その上司の月村寛之さん。御園生さんは2年前、38歳の時に「ステージ3B」の肺腺がんと診断されました。当時はがんに対する正しい知識がなく、社会の偏見からやりがいを感じているいまの仕事ができなくなるのではないかと不安に襲われました。

オープンにしよう

これからどうしたらいいのか、悩みながら上司の月村さんに報告すると、「オープンにしよう」と言われました。

月村さんは、御園生さんの写真とともに「FIGHT TOGETHER」と書いたステッカーを作って自分のパソコンに貼りました。
すると周りから、「それ、何ですか?」と聞かれるようになり、自然に御園生さんのことを伝えていきました。文字通り、一緒に闘おう、応援しようという輪が職場に広がりました。

哀れみの目で見られる違和感

一方、御園生さんは、“がん”になったと言うと、哀れみの目で見られることに、違和感を感じるようになりました。御園生さん自身は仕事を続け、未来に向かって生きているのに、世間ではがんになると死に向かっているように思われていることが多いと感じました。そこで月村さんと撮影会のプロジェクトを考えたのです。

「がんになったら終わりじゃない。イキイキと暮らしている人の写真を発信することで、これまでと変わりなく自分らしく生きていけるという社会の風土を作りたい」

2人はプロジェクトに込めた思いをこう話しました。
(リンク先に続きあり)

9月7日 18時24分

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小児がんを経験・榮島四郎くん(10) 「小児がんを知ってほしい。そして変な風に思わないで」
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