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2017/09/16(土) 00:30:45.39ID:CAP_USER9晩年の未発表草稿 人間観伝える44枚
毎日新聞:2017年9月16日 00時00分
http://mainichi.jp/articles/20170916/k00/00m/040/167000c
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山本周五郎の未発表草稿「註文の婿」=神奈川近代文学館提供
「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚(たん)」などで知られる作家、山本周五郎(1903〜67年)の未発表草稿が見つかったと15日、神奈川近代文学館が発表した。
今年、没後50年を迎える。
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山本周五郎
草稿は、専用の原稿用紙44枚につづられた「註文(ちゅうもん)の婿」。
藩の国家老はいっぷう変わった養子探しをしていた。
条件は酒を飲み、遊蕩(ゆうとう)を好む人間味があること。
無事養子も決まり、3人の愛人を囲う隠居生活を楽しみ始めたところ、妾宅(しょうたく)の前で養子に声をかけられた−−。
家老が隠居を堪能する目的で養子とその嫁を選び、一人ほくそ笑む姿のおかしみが漂い、不穏な雲行きになりそうなところで中断している。
同館によると、亡くなる1年半ほど前の65年ごろ、山本が「小説新潮」の担当編集者だった佐々木信雄さん(83)に草稿を渡した。
2015年、同館が佐々木さんから寄贈を受けたという。
当時、山本は体調が悪く身辺整理をしていたという。
佐々木さんは同館の機関紙に
「今になって、きみの雑誌にこれを書くつもりでいたのだけど、それをやっている時間と体力はもうなくなった、だから、きみが持っていてくれたまえと、言外におっしゃった、と遅まきながら理解しています」と原稿を寄せている。
草稿に目を通した文芸評論家の末國善己さんは「『日日平安』(映画『椿三十郎』の原作)に通じるような、真面目一辺倒でない人間がよいという周五郎の人間観が出ている」と話している。
草稿は16日発売の「新潮45」10月号に掲載される。
また同館で30日から始まる「没後50年 山本周五郎展」で初公開される。