115年間の歴代受賞者の内訳を見ると、興味深い傾向が浮き彫りに

1901年の第1回授与式にはじまり、これまでに900人近くが個人でノーベル賞を受賞している。
今年も受賞者が発表されたばかりだ。この機会に、世界的に有名なノーベル賞受賞者はいったいどんな人々なのか、見てみることにしよう。

ノーベル財団による1901年から2016年までの詳細なデータセットを使い、受賞者をいくつかのカテゴリーに分類してみた。

世界でいちばん受賞者を輩出している国は米国、移民が大きく貢献

米国は、受賞者をどの国よりも多く輩出しているが、科学分野の受賞者の多くが、子供の頃、あるいは研究を始めたばかりの頃に米国へ移り住んだ移民である。

米国を拠点とするノーベル化学賞受賞者の30%以上が、米国外の出身者だ。
2017年の共同受賞者でコロンビア大学教授のヨアキム・フランク氏は、ドイツ生まれである。
また、物理学賞受賞者の35%も外国生まれである。マサチューセッツ工科大学の物理学者で2017年物理学賞を共同受賞したライナー・ワイス氏も、やはりドイツで生まれた。

世界を股にかけたライフスタイル自体が、革新を促すという証拠もある。
科学誌『ネイチャー』に10月4日付で発表された論文によると、国をまたいで移動する科学者のほうが、最初に論文を発表した国に留まる科学者よりも広範囲に論文が引用される傾向にあるという。

平均すると、科学分野の受賞者の年齢は上がっている

2017年のノーベル生理学・医学賞、物理学賞、化学賞の受賞者のうち、1人を除く全員が70歳を超えていた。
これは、受賞者の年齢が年々上昇傾向にあることを示している。実際、授賞時の平均年齢は過去100年間上がる一方だった。

英BBC(英国放送協会)による2016年のインタビューで、ノーベル博物館上級学芸員のグスタフ・ケルストランド氏は、学術分野が100年間で大きく様変わりしたと語っている。
約100年前、世界には物理学者が1000人ほどしかいなかったが、今では数十万、あるいは数百万人の物理学者が誕生している。その分、「大発見の余剰在庫」も年々増え続けているという。

作家や経済学者も同様に数は増えてはいるものの、科学分野ほど受賞者の高齢化は見られない。
加えて、平和賞は全体的に若者に授与される傾向が強く、最年少受賞者が出ている賞でもある。
2014年に、当時17歳の教育活動家マララ・ユスフザイさんが、最年少で平和賞を共同受賞した。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171012-00010001-nknatiogeo-sctch
10/12(木) 7:02配信