【ジュネーブ=細川倫太郎】5月に経営破綻したイタリアの航空大手アリタリア航空は16日、再建に向けた入札を締め切り、7つのオファーを受け取ったと発表した。同日、独ルフトハンザや英格安航空会社(LCC)のイージージェットが名乗りを上げたことを明らかにした。

 アリタリアはそれぞれの支援の詳細は明らかにしていない。内容を精査しながら来年4月末までに交渉をまとめる。

 ルフトハンザは「新生アリタリア」の構築に興味があると表明。路線ネットワークなど一部事業の取得を目指す。伊メディアによると、機材や人員を引き継ぐため、5億ユーロ(約660億円)の支援を提示したという。イージージェットも一部資産の買い取りをアリタリア側に伝えたとみられる。

 ただ、いずれのオファーもアリタリア全体を売却したいイタリア政府の意向とは異なるため、交渉の先行きは不透明感が漂う。伊政府は買い手が見つかるまで、アリタリアにつなぎ融資を実行し、運航が続けられるようにしている。アリタリアはLCCや高速鉄道との競争激化などで資金繰りが悪化。5月に政府に「特別管理」を申請し支援先企業を探していた。

配信2017/10/17 6:01
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22335170X11C17A0000000/?dg=1&;nf=1