九州豪雨の被災地、日田市を通る二つのJR線を巡り、JR九州の対応が分かれている。
鉄橋が流された久大線は、来夏の全線復旧に向けて工事が進む一方、63カ所でレールの基礎部分が流されるなどの被害が確認された日田彦山線は、
復旧時期が見通せず、沿線住民には不安も広がっている。

JR九州によると、久大線は花月川に架かる鉄橋の橋脚4基が豪雨による濁流に流されるなどし、同市の光岡-日田間で運休。代行バスによる輸送が続く。
川に残った橋桁や橋脚の撤去も終えた。橋脚に大量の流木がひっかかったことも鉄橋流失の原因の一つとみられることから、
掛け替える新たな鉄橋の橋脚はこれまでの5基から2基に減らし、幅も「スリムにする」(広報担当者)予定という。

一方、添田(福岡県添田町)-夜明(日田市)間で運転見合わせが続く日田彦山線は復旧に向けた動きが停滞している。
日田彦山線の大鶴駅近くの線路には、大肥川の氾濫により流されてきたがれきや流木がひっかかったまま。水たまりも残る。
同社は、豪雨から3カ月たった今も「復旧の工法を検討している段階」と述べるにとどまっている。

市中心部の医療機関に通うため利用していたという同市大鶴地区の男性(82)は「通勤・通学で使う人もおり、ないと不便だ」。
同地区の女性(70)は「遠くに行くときに鉄道は便利。この先、どうなるのだろう」と不安を口にする。

県議の井上明夫氏は8日に開いた同地区での県政報告会で「(路線維持には)地元からの盛り上がりも必要。
利用者が少ないとはいえ、地域に欠かせない路線なのでJRに(存続を)要望する運動を考えたい」と話した。

=2017/10/18付 西日本新聞朝刊=

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2017年10月18日 6時0分 西日本新聞

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