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皇后さまは20日、83歳の誕生日を迎えられました。皇后さまは誕生日に当たり、記者の質問に対してこの1年を振り返りながら文書で回答を寄せられました。

この中で皇后さまは7月の九州北部豪雨や東日本大震災の被災地で、今も大勢の人たちが仮設住宅で暮らしていることを案じ、「どうか希望を失わず、これから来る寒い季節を体を大切にして過ごして下さるよう心から願っています」と述べられました。

6月に天皇陛下の退位に向けた特例法が成立したことについては「長い年月、ひたすら象徴のあるべき姿を求めてここまで歩まれた陛下が、御高齢となられた今、しばらくの安息の日々をお持ちになれるということに計りしれぬ大きな安らぎを覚え、これを可能にして下さった多くの方々に深く感謝しています」と記されました。

そして「ことしは国内各地への旅も、もしかすると、これが公的に陛下にお供してこれらの府県を訪れる最後の機会かもしれないと思うと、感慨もひとしお深く、いつにも増して日本のそれぞれの土地の美しさを深く感じつつ、旅をいたしました」と振り返られました。

皇后さまはまた、ことしのノーベル平和賞に核兵器の廃絶を目指して活動する国際NGO「ICAN」が選ばれたことを挙げ、「核兵器の問題に関し、日本の立場は複雑ですが、本当に長いながい年月にわたる広島、長崎の被爆者たちの努力により、核兵器の非人道性、ひと度使用された場合の恐るべき結果等にようやく世界の目が向けられたことには大きな意義があったと思います」と述べられました。そのうえで「日本の被爆者の心が、決して戦いの連鎖を作る『報復』にではなく、常に将来の平和の希求へと向けられてきたことに、世界の目が注がれることを願っています」と記されました。
(リンク先に皇后さま文書回答全文あり)

10月20日 5時04分