10月31日 16時10分

性感染症の梅毒について、ことし全国の医療機関から報告された患者の数は今月22日までに4568人と、現在の統計を取り始めた平成11年以来、年間の患者数として最も多くなりました。専門の医師は「不特定多数との性交渉を避け、不安に思ったら医療機関を受診してほしい」と呼びかけています。

梅毒は細菌による感染症で、性的な接触などによって感染して発疹などの症状が出て、放置すると血管が破裂する原因になるほか、妊娠中の母親が感染すると子どもに重い障害がおきるおそれがあります。

国立感染症研究所によりますと、ことしに入って今月22日までに全国の医療機関から報告された梅毒の患者数は4568人と、現在の方法で統計を取り始めた平成11年以降の19年間で、年間の患者数として最も多くなりました。

都道府県別にみると、東京都が1423人と最も多く、次いで大阪府が624人、愛知県が277人、神奈川県が258人などとなっています。
去年の同じ時期と比べて患者数が大幅に増えた都道府県もあり、岡山県では去年より4.3倍の135人、広島県では2.9倍の109人などとなっています。

梅毒の年間の患者数は昭和20年代には20万人程度とされていましたが、抗生物質の普及とともに減少傾向を示し、平成9年には500人程度になりましたが、6年ほど前から再び増加に転じています。

梅毒の診療を長く続けているプライベートケアクリニック東京の尾上泰彦医師は「風俗産業に関わる人で増加し、最近では一般の若い女性や主婦でも増えている。梅毒は感染の初期は症状に気付きにくい特徴があり、不特定多数との性交渉を避けるとともに、不安に思ったら医療機関を受診してほしい」と話しています。

全文はソースで
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171031/k10011205811000.html