NO4727 10月27日 『トルコ・リラ暴落の主因はマネー・ロンダリングか』 [2017年10月27日(Fri)]
http://blog.canpan.info/jig/archive/6393

*今週の水曜日、トルコの金融市場では、トルコ・リラの暴落が記録された。それまでトルコ・リラはドルに対して、3・5から3・6の範囲で動いていたが、
3・8を瞬間的に記録し、その後3・76で定着し始めているのだ。*

*このことについて、トルコ政府高官はトルコと、アメリカとの関係が悪化し、相互にビザの発給を停止した状態が、続いていることなどからきている
のだろう、と語っているが、どうもそうとは思えない。*

*今回のトルコ・リラの下落の主因は・アメリカがトルコとイランとの間で行われていた、金の取引やマネー・ロンダリングに、関わるものではないか、
と思えてならない。それはレザ・ザッラブなる人物(イラン生まれイラントルコ国籍保有者)の、事件に関わるのではないか、ということだ。*

*既に、アメリカ筋はトルコのハルク・バンクに対して、50億ドルの罰金を果たす方向であることを、明らかにしており、他の5行についても、金額は
ハルク・バンクへの罰金に比べて少ないが、罰金を果たす方向だ、といわれている。*

*問題は銀行に対する罰金よりも、レザ・ザッラブ氏の裁判が、今後どう展開するかにかかっている。このイランとトルコとにまたがる、マネー・
ロンダリングや金の取引問題は、実はエルドアン大統領がどっぷりつかっており、彼の家族のほとんどが、関わっているのだ。*

*裁判が進むにつれて、エルドアン大統領と彼の家族の首にかけられた、ロープは締まって行く危険性が、あるということだ。その事を熟知している
エルドアン大統領は、トルコ国民の前では、問題を隠蔽するために、ギュレン・グループのクーデター関与問題と、ギュレン氏の引渡しを
アメリカ政府に、強く要求している、と語ってきたしそうしてもいた。*

*実際には、エルド大統領はアメリカとの間で、レザ・ザッラブ氏の釈放と、引渡しを第一に要請していたのだ。その事によって、イランとの間で
行われていた、スキャンダルを問題化せずに済む、と考えているので題は遂に、最終段階に入ったのであろう。その事は、エルドアン大統領の
立場がますます、厳しいものになっていく、ということであろう。ヨーロッパとの関係が劣悪になっており、アメリカとの関係も、トルコ政府のロシアや
イランとの関係改善で、悪化の一途をたどっている。*