7年前、福岡県北九州市で、住民の先頭に立って暴力団追放の活動をしていた自治会連合会の会長の自宅に銃弾が撃ち込まれた事件で、警察は、特定危険指定暴力団「工藤会」の幹部ら6人が会長夫婦を殺害しようとしたとして、殺人未遂などの疑いで逮捕しました。

逮捕されたのは、特定危険指定暴力団「工藤会」の幹部の瓜田太容疑者(54)ら6人です。

平成22年3月、北九州市小倉南区南方で、区内の自治会でつくる「小倉南区自治総連合会」の会長だった当時75歳の男性の自宅に銃弾数発が撃ち込まれました。家には男性と妻がいましたが、けがはありませんでした。

男性は当時、自治会を束ねる代表者で、工藤会が事件の10日前に設けた事務所の撤去を求めるなど、住民の先頭に立って暴力団追放の活動に取り組んでいました。

このため警察は、工藤会について捜査を進め、これまでに逮捕・起訴された関係者の供述などから、瓜田容疑者ら6人が会長夫婦を殺害しようとしたとして、殺人未遂と銃刀法違反の疑いで逮捕しました。警察は6人の認否を明らかにしていません。

事件の3日前には、地元の住民およそ400人が事務所の撤去を求めるパレードを行っていて、警察は、暴力団追放の機運の高まりを抑えるために会長を狙ったと見て調べています。

記者会見した北九州市にある小倉南警察署の大島英彦署長は「事件は、暴力団追放運動を不当に封じ込めるだけでなく、その報復としてリーダーの立場にあった男性とその妻を殺害しようとした極めて悪質かつ卑劣な犯行で、工藤会の凶悪性を示している。市民の皆様は暴力団が関係する事件について勇気をもって警察に相談してほしい」と述べました。

また、福岡県警察本部北九州地区暴力団犯罪捜査課の國本正春課長は「今回の逮捕によって、官民一体となった暴力団排除の機運がさらに高まると確信している。工藤会に対して警察はいささかも手を緩めることはないというメッセージになる」と述べました。

配信11月9日 12時45分
NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171109/k10011217141000.html