神奈川県座間市のアパートから9人の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された白石隆浩容疑者(27)が「8月末に部屋を借りたのは、事件を起こすためだった」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。白石容疑者は8月中旬から、のこぎりを購入したり、ネットで遺体の解体方法を調べたりするなど事件の準備とも取れる行動を始めていた。警視庁捜査1課は一連の事件に至った経緯を調べている。

捜査関係者によると、白石容疑者は8月13日、ツイッターで知り合った三浦瑞季さんと初めて会った。その際、三浦さんの知人で後に事件に巻き込まれた西中匠吾さんも同席。3人で公園に行きコンビニエンスストアで購入した酒を飲んだという。白石容疑者は「女性を殺害しようと思っていたが、男性もついてきたので、この日は断念した」と供述しているという。

 白石容疑者と三浦さんはその後、何らかの相談をしたとみられる。同18日には白石容疑者が不動産会社を訪れ、現場アパートを内覧。同19日には三浦さんと2人で不動産会社を訪問し、契約手続きを進めていた。白石容疑者は「部屋を借りるための費用として、女性から51万円を受け取った。事件を起こすために部屋を借りた」と供述しているという。

 白石容疑者がアパートに入居したのは同22日。この日、三浦さんは「仕事が終わったら帰る」と家族にメールした後に失踪しており、直後に事件に巻き込まれたとみられる。9人の被害者うち、三浦さんが最初の被害者となった。

 西中さんは同29日に家を出たまま行方不明になった。白石容疑者は「女性を殺害した後、何日かして女性の知人の男性が部屋を訪ねてきた。警察に通報されると思ったので、部屋に招き入れて酒を飲ませ殺害した」と供述しているという。【深津誠、春増翔太、土江洋範】

配信2017年11月10日 21時37分(最終更新 11月10日 22時06分)
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20171111/k00/00m/040/106000c