0001みつを ★
2017/11/14(火) 08:13:37.02ID:CAP_USER9時に、本当にささいで単純なものが、悲しみと心痛の記憶を呼び戻すことがある。
レイチェル・プライアーさんにとっては、夫と子供たちと一緒にロンドンに出かけた際、有名な小売店の男性服売り場で見かけた真っ赤なジャンパーだ。
プライアーさんは「暖かそうな赤いジャンパーを見た瞬間、亡くなった父が好きそうだなと思いました。父のために買っていただろうし、プレゼントしたときの表情まで想像できました」とBBCに語った。
<プライアーさんはツイッターで「クリスマスの時期のマークスアンドスペンサーの男性服売り場ほど、父を恋しく思う時期と場所はない」と書いた>
https://mobile.twitter.com/ORachaelO/status/929397011429974016?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fwww.bbc.com%2Fjapanese%2Ffeatures-and-analysis-41967103
プライアーさんの父、リントンさんは10年前に亡くなった。それでも突然込み上げた悲しみに打ちひしがれた。
「ツイッターでつぶやくことがカタルシスになると思いました。でもまさか私の退屈なツイートがこんなに拡散するなんて少しも思いませんでした。不思議な気分です」
わずか一日で非常に大きな反響があった。1000回以上リツイートされ、1万1000回「いいね」が押された。そして24時間以内に、プライアーさんの憧れのスターの一人である英国人歌手のアリソン・モイエさんを含め、1300人以上のフォロワーができた。
<アリソン・モイエさんは「きのうはサウスエンドで演奏しました。観客の中に両親がいたからいつもストレスだった。でも今回は、両親はいないと分かっていました」とツイートした>
米国のテレビ番組「ザ・レイト・レイト・ショー」の司会者ジェイムズ・コーデンさんはツイッターで、自身のフォロワーに対し、レイチェルさんの投稿と一連のコメントを最後まで読むよう勧めた。「心が温かくなるから。美しい」とつぶやいた。
作家のJ.K.ローリングさんも話に参加した。一連の投稿について、ローリングさんは「ツイッターが時に、本当に素晴らしくなる」証拠だとした。
シカゴ在住のブリアナ・チャーナクさんは「I love you(愛してるよ)」のタトウーを投稿した。チャーナクさんの父親が最後にチャーナクさんに伝え、手書きで文字にした言葉だ。これで、毎日父親の愛を感じている。
<ブリアナ・チャーナクさんは、「12月で5年になる。最後に私に言い、手書きで書いたこと。毎日父親の愛を感じている」とツイートした>
https://mobile.twitter.com/realslimchicken/status/929498562949533696?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fwww.bbc.com%2Fjapanese%2Ffeatures-and-analysis-41967103
そのほか愛する人のことを考えてしまう引き金となることには、歌やアフターシェーブローション、たばこ、お茶、ジョッキなどがプライア―さんのスレッドで共有された。
プライア―さんの父親の元教え子の一人は、プライア―さんの父親の「伝説的な全校集会」について書いた。
ほかにも、個人的な思い出を共有する人たちもいた。その中の「LA_PDX」さんは、「クレジットカードの買い物には分別を持って」と書かれた父親の手紙を投稿した。
<LA_PDXさんはツイッターで、「お父さんからのこの手紙を昨夜見つけた。今年で亡くなって10年になる。『クレジットカードの買い物には分別を持ってね……』。お父さんに会えなくて寂しい」と投稿した>
ロンドンで制作会社の映画部門を担当するプライアーさんは、投稿者たちとやりとりするなかで、英中部マンチェスター近郊ロッチデール出身の父親が自分が使っているアフターシェーブローションのことを「トゥッティ」と呼んでいた背景について、さらに知ることもできた。
残念ながら、プライア―さんは全ての投稿内容を読めていない。
「見逃してしまったものがすごく多い気がするが、自分の気持ちを共有できてよかった。ツイッターは憎悪の政治に溢れた場所のように感じていたので、このスレッドでなぜツイッターを始めたかを思い出した。ツイッターはみんなが一緒になって、お互いを支え合う場所になり得る」
「みんな愛する人を失う気持ちが分かる」とも述べたプライア―さんは、自分にとってとても癒される経験だと述べ、みんなに感謝した。
臨床心理士のサラ・デイビッドソン氏が言うように、「より人を結び付け、感情を揺さぶる」スレッドは、目抜き通りの店のクリスマスの広告に匹敵するかもしれない。
シェリー・ライダー記者、BBCソーシャルニュース
2017/11/13