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 法務省は17日、昨年の犯罪件数や傾向をまとめた「犯罪白書」を公表した。刑法犯の認知件数は14年連続で減少し99万6120件(前年比10万2849件減)。戦後初めて100万件を下回った。検挙人数も22万6376人(前年比1万2979人減)で戦後最少を更新したが、65歳以上の高齢者が初めて2割を超え、犯罪の減少傾向が続くなか、高齢者犯罪の増加が目立った。

 白書によると、高齢者の刑法犯の検挙人数は昨年、4万6977人で全体の20・8%。20年前(1997年)は全体の4・1%だったが、00年代に急増後、高止まりの状況が続く。高齢者の検挙人数を罪名別にみると「窃盗」が約7割を占め、3万3979人。全世代では5割程度で、高齢者に顕著だった。傷害と暴行が1割強で計5823人。

 昨年、刑務所に入った受刑者は前年比1072人減の計2万467人で戦後最少だった。このうち、高齢受刑者は2498人。15年中に刑務所を出所した人について追跡調査したところ、高齢者は23・2%が昨年末までに再び受刑していた。受刑者全体では18・0%だった。

 一方、白書は昨年6月に始まった刑期の途中で出所させる「刑の一部執行猶予制度」の適用についても調査。「一部猶予」が裁判で確定した人は、昨年1年間で855人。出所者はまだいないという。(小松隆次郎)

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