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11月17日 18時25分

今月千葉港に立ち寄った貨物船が日本政府が入港を禁止している北朝鮮に寄港したことがある船の疑いがあったのに、警察の内部で情報の共有が遅れて必要な事実確認ができなかったことが千葉県警への取材でわかりました。

千葉県警によりますと、今月12日、水上警察隊の警察官が千葉港で船のパトロールをした際、香港船籍の貨物船の船長が「ことし1月と2月に北朝鮮の港に立ち寄り、石炭を積んで中国に運んだ」と話したということです。

警察官が船内の書類を調べたところ北朝鮮に寄港したことを示す記載がありましたが、海外の問題を所管する部署に連絡したのは貨物船がシンガポールに向けて出港したあとだったということです。

日本政府は、核実験などを繰り返す北朝鮮への独自の制裁措置として北朝鮮に寄港したことがある船の国内への入港を法律で禁止しています。

千葉県警は、法律や入港を禁止する措置についての認識が不十分で、必要な事実確認ができなかったとしています。千葉県警は「国際社会と連携して北朝鮮への圧力を強化している中、あってはならないことと重く受け止めている。今後は関係機関への報告や連絡など、必要な措置を迅速に講じていきたい」としています。

国家公安委員長「非常に残念」

この問題について、小此木国家公安委員長は閣議後の記者会見で、「非常に残念なことが起こった。警察内での連絡が適切に行われなかったため、必要な事実確認や、海上保安庁など関係機関への連絡が行われないまま、船舶は千葉港を出港した」と述べました。

そのうえで、「政府として国際社会と連携して北朝鮮に対して圧力を強化している段階でこのようなことは断じてあってはならないと強く思っている。今回の件の反省に立ち、必要な措置の迅速な実施を徹底するよう、警察当局に強く申し伝えた」と述べました。