【ソウル=鈴木壮太郎】韓国の人権派弁護士や研究者、市民活動家らでつくる「市民平和法廷準備委員会」は21日、ベトナム戦争に参戦した韓国軍がベトナムの民間人を虐殺した事件を巡る「市民平和法廷」を来年4月に開くと発表した。事件の被害者や遺族を原告、韓国政府を被告とし、国家の責任を問うとしている。

 韓国は南ベトナム支援のため1964年から73年までベトナム戦争に参戦した。同委によると、韓国軍は68年、中部クアンナム省フォンニ・フォンニャット村で民間人74人を殺害。同省ハミ村では135人を殺害。米軍の調査報告書などの証拠が比較的そろっており、生存する目撃者も多いとして、この2件を中心に扱う。

 韓国政府はこれまで、ベトナム戦争で韓国軍による民間人への加害についての立場を表明していない。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6月、国家に貢献した人を追悼する記念日「顕忠日」の式典で「ベトナム参戦勇士の献身と犠牲によって祖国の経済が息を吹き返した」と発言。ベトナム政府が抗議したことがある。

 ベトナム戦争への参戦の是非を巡っては保守派と進歩勢力とで意見が分かれている。「市民平和法廷」の開催は保守派の反発を呼びそうだ。

配信2017/11/21 19:15
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23752140R21C17A1FF1000/

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